Ry

観たものの話をしている

東京都美術館「Walls & Bridges  世界にふれる、世界を生きる」

 都美セレクションぶりの東京都美術館。会場は同じくギャラリーA・B・C。
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 5人の作家をフィーチャーした企画展。
 作家たちの間にテーマがスッと一本軸に通って見える、というのとは違うけれど、彼らを同じ空間で提示したい、という意義は確かに感じる。
 例えば、家事・育児の傍ら、材料を選ばず制作に励んだというシルヴィア・ミニオ=パルウエルロ・保田の作品は、裏紙を使ったドローイングから何から魅力的な線で、線だけでも惹きつけられる鮮やかさがある。対して、ビニェク・セカルの彫刻は堅く、(解説に従うのであれば)「正面性を定め」られており、それら二人の作家の作品が同じ空間で共存しているインパクトは大きい。
 照度の落とされた展示室の中、岐阜県徳山村の生活を撮り続けた増山たづ子の写真群を、写真に自らの影を落とさないよう気を遣いながら追っていくのも、(作品保護によるところが大きいだろうが)鑑賞体験として良かった。

 作家単位でいちばん印象的だったのは東勝吉だ。正味最初の数点まではぴんと来ていなかったんだけど、「この人、(自分だったら)線として捉えてしまいそうな現象も、面として認識してるな…?」と感じた瞬間、一気に引き込まれた。「菊池渓谷」(1997)に見られるように、水の動きさえも面的に描いているのがすごく熱い。

 帰りに久しぶりに東博に寄った。東洋館の清代の工芸品が面白かった。如意って孫の手じゃん、孫の手が鑑賞用に特化していくのってどういう経緯だったんだろう。あと琉球の展示品がかなり点数絞ってるのが気になった。