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2021-01-01から1年間の記事一覧

Moment Joon 「White Lies & Blue Truth」

Moment Joon 「White Lies & Blue Truth」(渋谷WWW X / 配信) 「白い嘘(Moment曰く「現実を生きるための」優しい嘘)と、青い真実」のタイトルの通り、IGUCHIDOUに代表されるような外向きにアグレッシブな曲が続く序盤から、徐々にその実際を解きほぐしていくような…

12月の映画、展覧会など

・映画「チック、チック...ブーン!」 俺たちRENTキッズとしてもだな...ということで観た。ジョナサン・ラーソンの同名ミュージカルを再構成した伝記的映画で、30歳を前に何も成してない焦りの歌、友人の住んでるタワマンの歌、バ先の愚痴の歌など、こう...2021…

プリパラ&キラッとプリ☆チャン&ワッチャプリマジ! Winter Live 2021

・「プリパラ&キラッとプリ☆チャン&ワッチャプリマジ! Winter Live 2021」(幕張イベントホール) 久しぶりの現地かつ初めての幕張。幕張は歩道橋が発達していて、ライブ終わりに海の気配を感じながら歩くのが心地よかった。 照明やVJを(設計された通りに)…

東京都現代美術館「クリスチャン・マークレー:トランスレーティング【翻訳する】」「ユージーン・スタジオ:新しい海」「MOTコレクション:Journals 日々、記す2」

※展示構成に一部詳細に言及しています。 ■クリスチャン・マークレー:トランスレーティング【翻訳する】 最初の展示室の壁をぐるりと取り囲むのは、音楽レビューの言葉を切り貼りして、ひとつの(こんな音楽があってたまるかと思わせる)文章に仕立てた≪ミクス…

11月補遺

・クララ・デジレ「不朽の女神」(sho+1) 告知で見かけた複眼の絵の強烈な色合いに惹かれて観た。日本の漫画作品を題材とした作品群では、すべての絵に手のモチーフが挿入されていて、漫画から読み取られた「手」の表情に対する感覚の鋭敏さに驚かされた。・「ワール…

阿佐ヶ谷スパイダース「老いと建築」(吉祥寺シアター)

※上演の内容に言及しています。 その老女が住む家は中庭があり、まるで要塞のようなつくりとなっている。玄関は建築時からフラットに造っておいたけれど、年を経てあちこちに新たな手すりを加えざるをえなかった。二階三階に至っては、今はほとんど使ってい…

FESTA松本(と、パルコde美術館)

長野県松本市で開催された演劇フェスティバル「FESTA松本」の感想。...なんだけど、期間中三本しか観ることができていない。もっと観たかった。「A WALK IN THE WOODS:森の中で」(まつもと市民芸術館シアターパーク) 冷戦時代、核軍縮条約の締結のため、米ソ各国…

9月・10月に観た映画(『ベイビーわるきゅーれ』『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』『最強殺し屋伝説国岡:完全版』

※映画の内容に一部詳細に言及しています。※作品内の暴力表現に言及している箇所があります。 ・『ベイビーわるきゅーれ』 鶯谷殺し屋同棲映画。序盤のまひろが小走りに横断歩道を駆けていくカットで、日常的な範疇の動きからもフィジカル強者であることが伝…

東京都美術館「Walls & Bridges  世界にふれる、世界を生きる」

都美セレクションぶりの東京都美術館。会場は同じくギャラリーA・B・C。 ry-kun.hatenablog.com 5人の作家をフィーチャーした企画展。 作家たちの間にテーマがスッと一本軸に通って見える、というのとは違うけれど、彼らを同じ空間で提示したい、という…

プリパラフレンドシップ オータムライブ2021J:COM八王子ホール/配信)

◼️これがガールクラッシュ、うっちゃりビッグバンズ やはり今回いちばん印象的だった。現地で観たかったよ。 ちゃん子、頭揺らしてメンチ切ったり、階段をのっしのっしと下りたり、ちゃん子としての身体をモノにしててアツかった。間奏のクラップでスイッチ…

東京ステーションギャラリー「木彫り熊の申し子 藤戸竹喜 アイヌであればこそ」

野生動物を主な題材とし、阿寒湖畔を拠点に活動した彫刻家、藤戸竹喜氏の展示。 展覧会の前半にあたる3階展示室は、プロローグ→1970-80頃制作のジオラマ的作品→藤戸氏が収集した木彫り熊コレクションという構成になっている。 「鹿を襲う狼」(1978/クルミ)…

2021年8月

・ままごと「わが星」(三鷹芸術文化センター・2015/配信) ry-kun.hatenablog.com ・「Welcome to プリ☆チャンランド!」(中野サンプラザホール/配信) ry-kun.hatenablog.com ・映画「劇場版 BanG Dream! FILM LIVE 2nd Stage」 ラスハピアンコール回だった。…

映画「ドライブ・マイ・カー」

※上映中の作品の内容に言及しています。 妻を亡くした演出家の男性が、広島の劇場で演劇の滞在制作に取り組むことになり、手配されたドライバーの女性と行動を共にすることになる…というあらすじ。 「寝ても覚めても」でも同じような感覚が残っているんだけ…

Welcome to プリ☆チャンランド!(中野サンプラザホール/配信)

昼・夜公演配信組でした。 ■衣装が好き プリパラやプリチャンの演者ライブ衣装の、ゲーム・アニメのデザインを忠実に、かつ現実の素材感やステージ上での動作映え、何より演者へのフィットを考慮して丁寧に現実へ翻訳しようとしている雰囲気が好きだ。 ・サ…

ままごと「わが星」(三鷹芸術文化センター・2015/配信)

※配信中の作品の内容に言及しています。 観劇三昧で観た。 星でもある登場人物たちの人生は、客席に囲まれた白くて丸い盆と、一秒刻みのアラームの上にある。一定の時間感覚の上に、すべての台詞の律動がいったん乗せられており、場内アナウンスすら上演に取…

2021年7月

※一部、上映中の作品の内容に言及しています。 ・舞台芸術スタッフの仕事【照明】(全5回) (日本演出家協会/動画) 舞台照明のこと好きだけどなんも知識ないな…と思っていたところで見つけた。 講義中に登場する実際の公演の作例が魅力的。作例を観劇した人が…

Noism0+Noism1+Noism2「春の祭典」(彩の国さいたま芸術劇場)

※上演の内容に言及しています。 さいたま芸術劇場、大ホールは初めてだけど一階座席側壁の図形…って雰囲気が好きだ。一階後部の通路の走り方というか、バルコニー席との区切り方が、あんまり見ない感じで面白い。 4本立ての作品構成で、一番印象的だったのが…

「MOTアニュアル2021 海、リビングルーム、頭蓋骨」「MOTコレクション Journals 日々、記す」

※展覧会の内容にかなり詳細に言及しています。 東京都現代美術館 ・「MOTアニュアル2021 海、リビングルーム、頭蓋骨」 エスカレーターで潜る展示室の入り口は、暖光で満たされている。 奥の展示室を覗くと、一段暗くなった空間が広がり、モノクロの海がうご…

2021年6月(上映・上演・配信)

※上映中の作品の内容に一部言及しています。 ・『劇場版 少女歌劇レビュースタァライト』 ふたかおレビューがかなり性が横溢していた。清水の階段を点々と照らしていたスポットが、二人を追い詰めるように上へ上へと消えていくのが好きだ。 真矢クロは「今の…

2021年6月(KAAT、虹む街、未練の幽霊と怪物)

※公演期間中の作品の内容に一部言及しています。 ・神奈川芸術劇場『虹む街』(作・演出:タニノクロウ) KAAT・中スタジオの幅いっぱいに広げられた街に、ぽつぽつと明かりが灯っていき、それぞれの生活が営まれている…その中央にコインランドリーがある。コ…

2021年6月(展示)

※現在開催中の展覧会の内容に一部言及しています。・東京ステーションギャラリー「コレクター福富太郎の眼:昭和のキャバレー王が愛した絵画」 個人コレクターの収集作品のみで構成した展覧会は、今まで意外と観てこなかったかもしれない。 好きだったのは池…

2021年5月

・ダムタイプ『S/N』(1995/スパイラルホール・配信) Visual AIDS・Normal Screenによる配信。 自分を記号化するものに抗いたい、自己の中にあるノイズを失いたくない…という言葉に肯く一方で、私は「捨てたい」と語られたもの…例えば性別や国籍、権威、財産、I…

『WITH/lations』の感想

・『WITH/lations by IdolTimePripara』(2021年5月8日/中野サンプラザホール) 緊急事態宣言発令の影響で直前に無観客配信のみに切り替わった公演であり、昼夜各部につき、通常配信に加えステージ全景の定点映像が追加購入できる配信チケットが販売されていた…

2021年3月・4月

・ながめくらしつ×Scale Laboratory『...の手触り:こころの手触り』(2020/沼津ラクーン) コンクリートが剥き出しになった空間。元百貨店で、今はカラオケとかパチ屋とかが入っているらしいそのビルの8階は、かつて百貨店の食堂だったらしく、名残として大きな…

2021年1月・2月

※一部展示中・配信中の作品の内容に言及しています。 ・『ジャニーズカウントダウン2020-2021』 ・中川船番所資料館 K区文化コミュニティ財団はデカめのスタジオ型展示室に実寸大ジオラマを配置するスタイルが好きという先入観が強化された。展示は郷土産業…

2020年に観たものから(配信・映像編)

・新国立劇場「巣ごもりシアター」より『トゥーランドット(2019)』・『ロメオとジュリエット(2016)』(4月・5月) 『トゥーランドット』:えらいものを観た。オペラって天井がたっかい分舞台が開放的に見える印象があるが、本作に関してはその天井の高さのせい…

2020年に観たものから(現場編)

・clubasia『KEEP VENUE CONTINUE PARTY』(9月) 入場制限をかけながらの開催だったので、自分みたいな元々通っていた訳ではない人間が行っていいのか…?とギリギリまで迷っていたけど、結果的にすごく良かった。 まず感じたのが、クラブって音響はもちろんだ…

2020年 展覧会

※現在開催中の展覧会の内容に言及しています。 ・国立近代美術館「窓展:窓をめぐるアートと建築の旅」(1月) 多様な窓の見立ての中でも、PCウィンドウと窓の類似性をテーマとした「窓はスクリーン」の章が印象的だった。私はTVドラマ『簡単なお仕事です。に応…