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2024年2月/DANPRI FESTIVAL(文京シビックホール)

 文京シビックホールである。雨の中、東京ドームに流れていく揃いのバッグの人たちを横目にホールへ向かう。そちらはそちらで別のコンサートらしい。文京シビックセンターは建物を貫く大きな吹き抜けがあって、チケットセンターが2階にある。ロビーがホールだけでなく全施設共通だから誘導は気を遣いそうだと思う。

 開演直前になって緞帳が降り、どうしたどうしたと思っていると、開幕即楽屋を模した寸劇がスタートする。ヘアメイクとの干渉を避けるためか知らないが、後ろ開きにファスナーの付いたライブTが可愛い。

 演者の退場後、改めて出囃子が流れ始め、しれっとライブパートへと移行する。一連の動きをヘラ~ッと眺めていたのだったが、何台もの白いムービングライトが瞼のように上下に跳ねひらいた瞬間、ガンガンに仕込まれた照明の線を画面越しに悔しく思いながら追いかけた2021年5月を思い出してかなり胸に迫った。音楽ホールにガッツリ照明音響機材を持ち込んだ設営の独特な良さがある。ry-kun.hatenablog.com

 マリオ新曲「ストロベリー・バレット・ナイト」。本公演のために作られた新曲という出自だそうでひっくり返る。曲調には一皮剥けて走り出したような爽快さがあり、アニメ11話で起こるだろう何らかを想定した曲なのかな~と思っていたが、歌詞は割と10話である。あまりにも。

 WITHの2曲目(部替わり曲)、夜の部はオレーザービーム。昼の部終演時点でやるのだろうとは思っていたが、今まで配信ないしは発声なし公演でしか聴いたことがない曲だったから、この曲を歓迎する周囲の観客(アイドル)の反応や歓声がダイレクトに打ち寄せてきて嬉しかった。今回は叶わなかったが、録音された音声ではなく、興奮したコールや歓声でリアルにざわめくフロアをジェスチャーひとつで静める高瀬コヨイが見たい。近々叶いそうな気もする。

ry-kun.hatenablog.com

 挨拶後のラスト曲で客降りがある。ガーッと客席階段を上がりきって、あたりを見渡して満足そうに帰っていくウシミツ。こちらには来ないだろうと思っていたアサヒが近くまで来て、うわーっ!と思って目ェガン開いていたら、戻り際にさっと手を振ってくれた。これもパンフレットにて触れられていた「アサヒと目が合う体験談」のひとつになる。今回のパンフの座談会、演者間の演技スタンスの違いの話や演劇現場のフローの確認の話など、内容が充実していて面白かった。

 エンディング後、鳴り止まないコールのうちにWITH単独ライブの告知。ここから隙自語だが、初めてWITHの(演者による)ライブを観た2019年4月~は、その後のコロナ禍を抜きにしても自分の基盤が繰り返し大きく変動した期間だった(今も変動している。どうしよっか♥️)。ライブと上京のタイミングが合った時に隙間を縫って現場に駆け込んだり、配信に切り替わった公演を引っ越したばかりの自宅から観たり、就労により躊躇せずチケットが買えるようになったり、逆に仕事が入って現場を諦めることが増えたり...。環境も、自分自身の志向も嗜好もどんどん組み変わっていく中で、これまでの自分とこれからの自分の連続性を担保してくれた存在のひとつがプリティーシリーズでありWITHだった。そのWITHが遂に単独のリベンジマッチをしてくれることが、とても嬉しい。