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ミュージアム

2024年4月/補遺(東京都現代美術館、我孫子市鳥の博物館)

◼️TCAA2022ー2024受賞記念展 ・津田道子「Life is Delaying 人生はちょっと遅れてくる」 入ってすぐの展示室〈生活の条件〉(2024)では、暗い室内にいくつかの額縁、鏡、そしてスクリーンが懸けられ、その中に時折役者たち...年齢や性別はさまざまで、皆白シャツ…

2024年1月/「前衛」写真の精神:なんでもないものの変容(渋谷区立松濤美術館)

戦前日本において流行した前衛写真運動と、その精神性を受け継いだ戦後の写真潮流を、瀧口修造・阿部展也・大辻清司・牛腸茂雄の4名をキーパーソンとして追う展覧会。ここまでに千葉・富山・新潟を巡回。 松濤美術館においては、第1会場(2階)で前衛写真の登場~大…

2023年9月/MOMATコレクション

国立近代美術館。 企画展期間入る前に見た。国立近美のコレクション展は明確に企画展の補完と広がりを企図してプログラミングされているから、企画展とセットで見るのが筋だろ...と認識しているものの、企画展の直後にあれだけのボリュームのコレクション展…

2023年8月①/多摩六都科学館、東京都現代美術館コレクション展

◼️多摩六都科学館に行った。 館内はどこかアスレチック的というか、意図的に狭かったり入り組んだりしている印象で、これは対象年齢はワクワクするだろうなと思った。 自分は(特に地域規模の)科学館に対し、科学館という営みに誠実であろうとしているという…

2023年7月/練馬区立美術館コレクション+「植物と歩く」

初練美...と書こうとしたけど確か鹿島茂関係の展示で一度来ているはずだ。いわゆる「銘品」一点集中型ではない充実した作品揃えで、自治体立美術館のテーマ横断型コレクション展がいちばん好きだという思いを新たにする内容だった。 練馬区立美術館は今リニュ…

2023年4月/HOUSE DELIVERY、アーティゾン美術館

◼️HOUSE DELIVERY(秋葉原MOGRA)に行った。 深い時間のMOGRAは初めてかもしれない。暗いフロアにプロジェクターの光が熱く燃える火の粉のようにひらめく。バーカウンターの近くにアフターアワーズのエミちゃんの絵が飾ってあることを知る。一階はいつも混んで…

六本木クロッシング(森美術館)

だいぶ久しぶりに森美術館、というか六本木のあたりに行った気がする。森美術館は企画展示室が完全にひとつらなりで間室がなく、かつ円形で自分が今展覧会のどの段階にいるのか感覚だけでは掴みにくい?から、HP消費を調整しつつの周回前提みたいな巡り方に…

東京国立近代美術館「大竹伸朗展」

腰を据えて鑑賞できるコンディションの日に行こう...と思ってた展覧会なのに、けっこう勢いで見てしまった。 作品リスト/章ヘッダー以外のキャプなし(カタログポケットから閲覧する方式)。前半セクションは展示室間の往来の自由度が高く、かつ順路に従わなく…

埼玉県立近代美術館「桃源郷通行許可証」「MOMASコレクション」

※開催中の展覧会の内容を記述しています。 ◼️桃源郷通行許可証 現代作家の作品×各作家が館所蔵コレクションから選んだ作品、各6組の掛け合わせによる企画展。タイトルは出展作家である松井智惠の作品内から。 会場からは極力キャプションが排され、作品情報…

2022年9月の展示

◼️光島貴之「まちの肌目にふれる」(渋谷公園通りギャラリー) 作家が渋谷の街を歩いて探った「まちの肌目」...音や匂い、あるいは足の裏から感じる触感など...をもとにした滞在制作と、参加型展示のワンセット。 制作風景の映像に「テープを貼るとき、指の腹でテー…

東京都現代美術館(MOT Annual、コレクション展)

※展覧会の一部詳細な内容に言及しています。MOT Annual 2022「私の正しさは誰かの悲しみあるいは憎しみ」 今年のAnnualは三階だ!東京都現美、どの会場も開放性が確保されてるの展示空間として好感がもてる(すぐ集中力切れるから)。 今回は4人の作家を取り上げ…

東京都美術館「都美セレクション グループ展2022」

・東京都美術館「都美セレクショングループ展2022」 公募から選ばれた若手グループ展3本の恒例展示。 グループ展単位だと「ものののこしかた」がよかった。福島県の郷土史家・古川利意氏の記念美術館設立に向けた取り組みを契機とした展示というリード文と、…

2月補遺(久保田成子、江戸東京博物館)

◼️東京都現代美術館「Viva Video! 久保田成子」 昨年11月に同館を訪れたときは、体力と時間を勘案して久保田展を外したので、今期これで全部観たことになる。 新潟から東京、そしてアメリカへと渡った久保田の足跡を追う史料中心の前半部。ヴィデオに造形の要…

埼玉県立近代美術館「MOMASコレクション第4期」「扉は開いているか:美術館とコレクション1982ー2022」

埼玉県美行ったことないの流石にワックだな...くらいのモチベーションで行ったんだけど、ここ最近で一番興奮した展示だった。◼️MOMASコレクション第4期 まずコレクション展を見た。三室構成でコンパクトだがぎゅっと詰まった展示だ。 第一室は「自然」をテーマ…

東京都現代美術館「クリスチャン・マークレー:トランスレーティング【翻訳する】」「ユージーン・スタジオ:新しい海」「MOTコレクション:Journals 日々、記す2」

※展示構成に一部詳細に言及しています。 ■クリスチャン・マークレー:トランスレーティング【翻訳する】 最初の展示室の壁をぐるりと取り囲むのは、音楽レビューの言葉を切り貼りして、ひとつの(こんな音楽があってたまるかと思わせる)文章に仕立てた≪ミクス…

東京都美術館「Walls & Bridges  世界にふれる、世界を生きる」

都美セレクションぶりの東京都美術館。会場は同じくギャラリーA・B・C。 ry-kun.hatenablog.com 5人の作家をフィーチャーした企画展。 作家たちの間にテーマがスッと一本軸に通って見える、というのとは違うけれど、彼らを同じ空間で提示したい、という…

東京ステーションギャラリー「木彫り熊の申し子 藤戸竹喜 アイヌであればこそ」

野生動物を主な題材とし、阿寒湖畔を拠点に活動した彫刻家、藤戸竹喜氏の展示。 展覧会の前半にあたる3階展示室は、プロローグ→1970-80頃制作のジオラマ的作品→藤戸氏が収集した木彫り熊コレクションという構成になっている。 「鹿を襲う狼」(1978/クルミ)…

「MOTアニュアル2021 海、リビングルーム、頭蓋骨」「MOTコレクション Journals 日々、記す」

※展覧会の内容にかなり詳細に言及しています。 東京都現代美術館 ・「MOTアニュアル2021 海、リビングルーム、頭蓋骨」 エスカレーターで潜る展示室の入り口は、暖光で満たされている。 奥の展示室を覗くと、一段暗くなった空間が広がり、モノクロの海がうご…

2021年6月(展示)

※現在開催中の展覧会の内容に一部言及しています。・東京ステーションギャラリー「コレクター福富太郎の眼:昭和のキャバレー王が愛した絵画」 個人コレクターの収集作品のみで構成した展覧会は、今まで意外と観てこなかったかもしれない。 好きだったのは池…