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2023年1月~2月/日記

◼️アイカツの映画を観た。

 観る前はもっとお祭り的な内容を想像していたが、実際は足で地を踏み埋めていく作品だった。

 私はアイカツに登場する一ノ瀬かえでちゃんが好きで、人をentertainしようという姿勢が軸にある一方、場面場面で人間関係を動かすエネルギッシュな執着のようなものを発揮するのが魅力的だと思う。映画では彼女たちの新しい姿や、友人関係に生じた新たな機微が描かれていて嬉しかった。

 気が大きくなった訳ではないが、見終わった足で百貨店に立ち寄り、自分ではとてもじゃないが買えない値札の服を試着した。前から気になっていた服で、価格の高さと実用性の低さゆえに一回試着して似合わないのを確認したら諦めようと思っていたのだが、実際着てみるとシルエットだけでなく細部もたいへん美しいことが分かり、「私はこれを着るべきじゃないかと思う」と真顔で繰り返す人間になった。私もプレミアムレアドレスが欲しいぜ。

 

◼️川越で遊んだ。

 年度単位で労働する多くの人間と同様に繁忙期なのだが、身体精神が追い込まれてコミュニケーションに不調を来しかけたため自らに許した。

 冷たい風吹きさらす国道254号あたりの沿道は車屋車屋車屋ラブホラブホゲーセンみたいな並びの景観で、その背後に冬の刈り取られた田畑が広がる。いわゆる小江戸小京都てきな地方都市生活圏と、ロードサイド生活圏が入り交じった汽水域のような雰囲気が親しく感じられ、しばらく歩くだけでだいぶ快復した。

 黙々歩くうち、学生の頃、隣町の駅から離れたところにあるロードサイド型の大きなゲームセンターに、同じように歩いていった時のことを思い出した。某アーケードゲームが終了することになり、まだ稼働中でかつ他のプレイヤーと鉢合わせなさそうな店を探した結果その運びになったのだ。それも冬の出来事である。