Ry

2022年10月

◼️FESTA松本2022

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◼️サイコー超えてる!ミラクルオーケストラステージ(東京芸術劇場コンサートホール)

ドリフェス!」という作品のオーケストラコンサート。

オーケストラ仕様に編曲されるにあたり一番アレンジが効いていたのが、自分が作品中でトップに好きな曲である「ARRIVAL」だった。もともと原曲はEDM調で、コーレスが入るタイプの華やかな雰囲気の盛り上げ曲なんだけれど、今回のアレンジではゆったりと始まり、しゃん、しゃんという鈴の音が澪標のように刻まれる。朝の凪いだ海に静かに漕ぎ出でるような曲想で、作品終了から何年も経った後に、好きな曲がまた清新な魅力を示したこと自体に情動してしまった。サビでボーカル部を追いかける弦の旋律も良い。また、この曲初出でその後度々登場する、舞台をすっぽりと繭状に包むネタ光が美しかった。

「ALL FOR SMILE」のアウトロ、弦楽セクションがなめらかな弾き方から刻む弾き方に切り替えるタイミングが好き。3階席だったから全体的にぐわっと下から巻き上がっていくような聴こえ方だった。

生演奏と音源のボーカルを合わせるの、意欲的な試行とは理解しつつ、あまり好みではなかったかな。

 

◼️十月定例公演「鶏聟/浮舟」(国立能楽堂)

現代の能楽堂、「屋根の下にさらに屋根を造る」構造が、趣向レベルの話ではなく伝統を継承する真っ当な手段として選ばれてるのですごい世界だなと思う。

狂言「鶏聟」は、聟入り(結婚後初めて妻の実家に行くこと)の作法を騙されて教えられた男が、舅の前でニワトリを真似を始めるという凶行に出る演目。

狂言初めてでも笑いどころが分かりやすい。鶏を模した聟が袖をばたつかせて跳ねるたび、長く引き摺る袴をうまく捌くので(キレのいい衣擦りの音がする)、笑いつつそればっか見てた。

能「浮舟」は、宇治を訪れた旅の僧侶の前に、浮舟という女の供養を頼む人物が現れる...という話。勿論あの「源氏物語最後のヒロイン」と呼ばれる浮舟のことである。

一般的な知識として「能面の角度で感情を表現する」という話は知ってたんだけど、ひととおり語り終えた浮舟が舞台から立ち去る(成仏する?)間際、ちょうど自分がいた客席の方角に身体を向けたとき、ちょっとニコッとしたように見えて、このことを言ってたのか!と感激した。

演目間の休憩で、観客がみな中庭に出て、秋の夜の空気と鈴虫の声を楽しむ...という時間があった。私はいわゆる「趣味の良さ」に意味もなく反発したくなるのだけど、一方でこういう体験含めた公演なんだなという納得もある。

 

◼️埼玉県立近代美術館

 

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