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2023年5月①/SECTOR、UKG RISING

◼️SECTOR(渋谷WOMB)

  4FのRIPを目当てに行ったのだが、仕事を引き摺ってなかなか集中できずにいたところ、序盤のメインフロアにしばらく居たら落ち着いた。回遊性が保障された空間は最高。

 メインフロアは入ってすぐの床からびりびりと震え、緑色のムービングライトがゆーっくり回っている。ただならぬ、しかし安息できる、暗窟じみた雰囲気が漂っていたメインフロアに、一転してスターサファイアのような光が差す。光の幅にスモークが挿し込まれながら、舞台側とフロア側、二方向から光が通った瞬間、音楽そのものも展開していく。

 RIPフロアに戻ってからもマジで楽しかった。Jacotanu氏が掛けてたドロップ?で音を引き絞って放つ曲、跳んだ音が的を射て真上から落ちてくる音響感覚がして本当にびっくりした。

 それから印象的だったのがNizikawa氏とOblongar氏が終盤流してたSweetest Day of Mayで、といってもその場では名前が分からずにただ知ってる曲だ~と思って嬉しくなっていたのだが、家帰ってから曲名を調べ直して、幸せな気持ちになって眠った。

 フロアの最後にはジャングルが掛かり、終演後その勢いでドッタドッタ螺旋階段を降りたのだが、一方その頃メインフロアではじわーっとした音楽と共に細い滝のような経緯のレーザーが注がれており、メイン通しで居たらこんな心洗われる感じで締まるイベントだったのか?とちょっとビビった。

 

◼️UKG RISING 公開生放送(下北沢LIVEHAUS)

 欠かさず聞いている数少ないラジオであるところのUKG RISINGの公開生放送。普段はリアタイも怪しいのでシフト運が良かった。

 下北沢は「修道女たち」を見に行った時以来な気がする。LIVEHAUSはソフトドリンクにガラナがあり、それだけでも好感度高かった。

 かなり頭部に近い位置にある天体のようなミラーボールからめぐる光が、時折千鳥柄やWindowsのロゴみたく見えて愛嬌がある。ラジオ放送中は強烈に幸福な西日のようなライトが射しており(自分のためだけに書くと、Noismの「夏の名残りのバラ」の照明の印象が近い)、なんで?と思いつつ美しかった。

 ラジオはゲストのNirBorna氏の欧州旅行の話とか、件のDTM合宿の話をしていた。オタク(一人称)は「スクワットレイヴに地元のご老人が来ていた」的な、「場」を要する文化と地域社会との間にどのような接点が持たれているかの話が大好き。あと現地組はSPRAYBOXの新曲のアートワークを先出しで見せてもらったりした。ラジオの公開生放送は「小さく体を動かしながら人の話を聞く」をやっても怒られない、本当は顰蹙を買っていたかもしれないが。

 ラジオ終了後に掛けていた曲中にあった、掘削音が接地面で熔けて蒸発してしまうような音が新鮮に覚えて興奮した。あとIt's A  Love Thing、去年のSharda来日公演がちょうど仕事で行けなくて当時しばらく心残りだったので、めちゃくちゃ喜んでしまった。